はじめての相対力指数(RSI)入門 | テクニカル分析
2024-10-17
1. 相対力指数(RSI)とは?
RSI(Relative Strength Index、相対力指数)は、価格の変動における強さを測るためのインジケーターです。特に相場が「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」の状態にあるかを判断するのに用いられます。RSIは0から100の範囲で表され、一定の値を超えると過熱感があると見なされます。多くのトレーダーが、相場の反転ポイントを探るためにRSIを活用しています。
RSIは特に短期的な価格の変動に対して敏感であり、トレンドの転換点を見極めるための強力なツールとして利用されています。例えば、RSIが70を超えると「買われ過ぎ」、30を下回ると「売られ過ぎ」と判断されることが多いです。
例えば、以下のようなシンプルな数値の例で考えてみましょう。
5日間のRSI計算例
ある株の終値が以下のように推移したとします。
- 1日目: 100円
- 2日目: 102円 (上昇幅 +2)
- 3日目: 101円 (下降幅 -1)
- 4日目: 103円 (上昇幅 +2)
- 5日目: 102円 (下降幅 -1)
この場合、5日間のRSIを求めるために、まず上昇幅と下降幅の平均を計算します。
- 上昇幅の平均:
- 下降幅の平均:
次に、RSIの計算に必要な「相対強度(RS)」を求めます。
最後に、このRSを使ってRSIを求めます。
この例では、5日間のRSIは約66.67となり、まだ「買われ過ぎ」の水準には達していませんが、上昇傾向があると判断できる値です。
2. RSIの役割と特徴
RSIは、価格のトレンドや過熱感を判断するために使われます。
- トレンドの判断:RSIは、相場が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのかを判断するのに役立ちます。特にRSIが70を超えると「買われ過ぎ」、30を下回ると「売られ過ぎ」と判断されることが多く、トレンドの転換点を見極めるためのシグナルとして機能します。
- ダイバージェンスの検出:RSIは価格とのダイバージェンス(価格とRSIの動きが異なること)を通じて、トレンドの弱まりや反転のサインを捉えることも可能です。例えば、価格が上昇しているにもかかわらずRSIが下がっている場合、上昇トレンドの勢いが弱まっている可能性があります。
- 短期間での過熱感の把握:RSIは短期間での価格の過熱感を捉えやすく、相場がどのような状態にあるのかを迅速に把握するために役立ちます。そのため、短期的な取引を行うトレーダーにとって特に有効です。
3. RSIの計算方法
RSIの計算は、過去の一定期間の上昇幅と下降幅を使って行います。以下はRSIの計算手順です。
ステップ1:過去の一定期間(通常14日間)の「上昇幅」と「下降幅」の平均を計算します。 平均上昇幅を、平均下降幅をとします。
ステップ2:「相対強度」()を求めます。
ステップ3:RSIを求めます。
ここで、RSは「相対強度」です。
この計算により、RSIは0から100の範囲で表され、価格の過熱感を定量的に示します。
4. まとめ
RSIは、相場の「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を判断するための強力なインジケーターです。RSIを理解することで、相場の転換点を見極めやすくなり、より精度の高いトレード判断が可能になります。ただし、単独での使用はリスクがあるため、他のインジケーターや手法と組み合わせて活用することが重要です。
注意事項
この記事は、投資の推奨を行うものではありません。金融市場にはリスクが伴うため、投資を行う際は自己責任で判断し、必要に応じて専門家に相談してください。